Blue Guitarsのスタッフがインタビュアーとしてお送りするWEBマガジン 「Life with Music」
様々なフィールドで自己表現する人たちの日常と、その暮らしの中の音楽の在り方についてクローズアップします。

Vol.3は地方創生をキーワードに東京と地方をつなげている石黒 浩也さん。
羽田未来総合研究所 ディレクターとしてのライフワーク、自身にとっての音楽、その生き方に迫ります。

 

石黒浩也
1973年2月27日 京都生まれ。コム・デ・ギャルソン、ヨウジ・ヤマモトといったDCブランドの80年代 黎明期に青春時代を送る。その後、株式会社伊勢丹(現 株式会社三越伊勢丹)の紳士服のマネージャー・バイヤーとして活躍。後にセレクトの幅を地方の様々な伝統工芸や地域資源まで広げ、地方の隠れた名品や文化を中央に繋げる役割も果たす。その経験を生かし現在は株式会社 羽田未来総合研究所に在籍し、都市と地方をつなぐキーマンとして地方創生に邁進する日々を送っている。

 

 

 

北陸新幹線開業がもたらした出会い

2015年に東京と富山は約2時間の距離になった。北陸新幹線の開業だ。石黒さんはその開業に合わせ日本橋三越本店で北陸三県の伝統工芸や名産などが並ぶ企画展を取り仕切った。その中でも注目すべきが、坂本龍一、森口邦彦(人間国宝)、富山県南砺市の松井機業のコラボ。坂本龍一が出演したNHKの音楽番組「音楽の学校 スコラ」。番組が起点となった音楽全集 commmons: schola vol.14『日本の伝統音楽』。この本のカバーに森口邦彦が考案したデザイン、カバーの素材に富山県 城端に残る「しけ絹紙」を採用。太さが不均一な玉糸で織り上げられた「しけ絹」は唯一無二の模様を持つ。企画展の100部限定で坂本龍一直筆の「しけ絹」を用いたスペシャルメッセージカードも添えられ数日で完売となった。

他にも富山県の名産である能作の錫(すず)のぐい飲みを地酒の試飲に用いた。物だけを切り取るのではなく受け継がれる文化やそれらを担う人々も含めて伝えたいという彼の思いを感じさせる。

 

高岡伝統産業(高岡銅器)

北陸新幹線の開業より始まった富山県との交流。その中でも高岡伝統産業との関りあいは深い。高岡銅器…富山県高岡市で製造される鋳物の伝統工芸品。先述の錫のテーブルウェアで人気の能作や、syouryuすずがみも高岡銅器の技術を用いて作られている。

そしてstilbluのピックガードにも用いられているmomentum factory Oriiによる新しい銅器発色の技法。代表 折井宏司の考案による宇宙の銀河を感じさせる色合いのCopper Red(斑紋孔雀色)や、Orii Blue(斑紋ガス青銅色)といわれる美しいテクスチャを有したコバルトブルーが代表的なカラー。Blue Guitarsと同じく石黒さんもその色世界に魅せられた一人。

 
Oriiの銅板は表札や看板・建材としての利用が主だったが、近年では異業種やデザイナーとコラボレーションした様々な製品が生み出されている。北陸新幹線開業時に富山県内で行われた物産展。そこでたまたま見かけたOriiの名刺入れがstilbluのピックガードを生み出す原点でもある。
そんなOriiの代表 折井さんと石黒さんの二人は価値観や趣味など共通項が多い。コム・デ・ギャルソンやヨウジ・ヤマモトなどのDCブランド、スキーなどの自然の中で遊ぶアウトドア、お酒の席が好きなことも。そして、モノ・ヒト・コトを介した伝統を時代にあわせて変化させ繋げていく強い衝動。地場産業としてだけでなく全国そして世界にグローバルに広げていきたいという思い。そんな強い思いにstilbluもまた感化されている。

 

 

 

坂本龍一とスティング

石黒さんは中学2年のときにベースをはじめた。そのきっかけはスティングというベースボーカルの絶対的アイコン。バンドの中心的存在であり、難解なベースラインを弾きながら高らかに歌い上げるスタイルはスティングゆずり。そしてYMOから始まる坂本龍一の前衛的なサウンドとファッション。先進性の高いモードな世界観は石黒少年の感性を刺激し、その後の人生に大きな指針を作った。彼の中で坂本龍一とスティングは不変で絶対的な存在。

ベースをはじめてから今日までずっと続けており一度もやめた事はない。音楽は生き方であり自己表現と挑戦。人生を豊かにする楽しみであり、年を重ねても続けられることが音楽の良いところだと語る。彼らがそうであるように。

 

仲間と目指す夢

 

2012年3月より東日本大震災のチャリティーも兼ねた自主企画ライブを行い、次回2019年3月で15回目になる。「the YEBISU」は彼がベースボーカルを務めるバンド。職場で転機が訪れた際に運命的に出会った仕事の仲間がバンドメンバーだ。昨年、アマチュアバンドコンテスト「南紀おやじバンドコンテスト」にて、初参戦ながら「南紀賞」を受賞。その時使用したベースはstilblu / Model-TB。昨年10月に東京ビッグサイトで行われた楽器フェア2018にて彼のギアに加わった。盟友であるmomentum factory Orii 折井宏司によるピックガードがインストールされた新しい愛器 Made in TOYAMAのstilblu。

そんなベースを抱えて、はにかみながら彼は言う「今年は他のコンテストにも出てみようかな!?賞をもらったら欲がでちゃって(笑)」

最高のベース、最高の仲間と音楽を楽しみ挑戦すること。アマチュアだけど真剣に遊ぶのが石黒流だ。

 

STILBLU MODEL-TB #025 HEAVY AGED – 2TONE SUNBURST WITH ORII BLUE

 

 

東日本大震災復興支援ライブvol:15

▪︎日時:2019年3月22日(日) / 開場19時 開演20時
▪︎会場:新宿御苑サウンド
▪︎料金:¥1,500(with 1ドリンク)

みなさまから頂戴したお代の一部を、
①坂本龍一氏が主宰する復興支援イベント[東北ユースオーケストラ]
②日本赤十字社 東日本大震災 復興支援基金
…に寄付させて頂きます。

▼お問い合わせ
新宿御苑サウンド TEL:03-3355-7877
http://gyoen-sound.com/contact.html

 

 

2018年10月に東京ビッグサイトで行われた楽器フェア2018にて
stilblu / Model-TB #025 Heavy Aged – 2Tone Sunburst with Orii Blue